
テレワーク時代に必要とされるエンジニアスキルとは?
はじめに
新型コロナ以降、私たちの働き方は大きく変わりました。
オフィスに毎日通うのが当たり前だった時代から、今では**テレワーク(リモートワーク)**が標準的な働き方になりつつあります。
特にエンジニアは「パソコンとインターネットさえあれば仕事ができる職種」の代表格。
その一方で、テレワーク時代にはオフィス勤務では見えにくかったスキルや能力がより重要視されるようになっています。
この記事では、初心者から中級者のエンジニアが「これからの時代に求められるスキル」を具体的に解説します。
単なる技術だけでなく、リモートで信頼される人材になるために必要な行動や考え方まで含めて紹介します。
なぜ「テレワーク対応スキル」が必要なのか?
エンジニアとしての技術力はもちろん大切です。
しかし、テレワーク時代には「技術力+α」が求められています。
理由1:顔が見えない環境で働くから
オフィスなら隣の人に「ちょっといいですか?」と聞けますが、テレワークではそうはいきません。
自分の進捗や困っていることを伝える力がないと、プロジェクトが止まってしまいます。
早めに相談することで信頼が上がります。
理由2:自己管理が前提になるから
テレワークでは監視されていない分、自分で時間を管理し、成果を出す力が必要になります。
体調管理はもちろんのこと、だれも見ていなくてもコツコツとやれる人が成果を出せる人です。
理由3:チームでの開発は変わらないから
テレワークになっても「チーム開発」がなくなるわけではありません。
Gitやチャットツールを使いこなし、離れていても連携できる人材が評価されます。
特にこれらは非同期で行われます。チャットを使っていてもリアルタイムに必ず返事が来るわけではありません。そのあたりも計算しながら仕事をすることが大切です。
必要とされるエンジニアスキル一覧
ここからは、テレワーク時代に特に重要度が増したスキルを具体的に見ていきましょう。
1. コミュニケーションスキル(リモート特化型)
ポイント
- テキストで簡潔に伝える力
- オンライン会議で要点を話す力
SlackやTeamsなどでのやり取りは、文章の書き方ひとつで印象が変わります。
「何が分からないのか」「どこで詰まっているのか」を短くまとめて伝える練習をしましょう。
短い文章でわかりやすく伝えることが大切です。
初心者でもできるアクション
- 毎日の進捗を「昨日やったこと・今日やること・困っていること」に分けて書く
- 質問するときは「やりたいこと」「試したこと」「出たエラー」を添える
2. タスク管理スキル
テレワークで成果を出すには、自分の作業をきちんと管理できることが必須です。
ツール例
- Trello / Jira / Notion / Asana
- GitHub Issues / GitLab
ポイント
- 1日のタスクを小さく分割する
- 終わったら必ず「完了」に移す
- チームで見える化する
👉 初心者は「Trello」や「Notion」で個人のタスク管理から始めると入りやすいです。
3. Git / バージョン管理スキル
リモート開発では、Gitを使えないとほぼ仕事になりません。
最低限必要な操作
clone
/commit
/push
/pull
- ブランチを切って作業する
- プルリクエスト(Pull Request)を出す
初心者がやるべき練習
- GitHubで自分のポートフォリオコードを管理する
- 友人やチームで小さなアプリを作り、PRレビューを経験する
👉 Gitは「共同作業の言語」です。早めに慣れておくと転職・案件獲得で有利になります。
4. クラウドサービスの基礎知識
テレワーク時代はクラウド前提で開発が進みます。
代表的なサービス
- AWS(Amazon Web Services)
- GCP(Google Cloud Platform)
- Azure
初心者が知っておきたいこと
- S3(ファイル保存)
- EC2(仮想サーバー)
- Lambda(サーバーレス関数)
👉 「全部覚える」のは不可能なので、まずは自分が使っているアプリがどんなクラウドで動いているかを調べてみるのが第一歩です。
5. セキュリティ意識
テレワークは自宅からアクセスするため、セキュリティ事故が起きやすい環境でもあります。
実践すべきこと
- 公共Wi-Fiで仕事をしない(VPNを使う)
- パスワードを使い回さない(パスワード管理ツールを利用)
- PCを家族と共有しない
パソコンを画面が開いたままで離れないように注意したり、覗き込まれたりないように気を使うことも大切です。
👉 初心者は「パスワードマネージャー」と「二段階認証」から導入してみましょう。
6. 自己学習スキル
リモートでは「誰かに教えてもらえる環境」が限られるため、自分で学ぶ力がより重要になります。
学習方法
- UdemyやProgateで基礎を固める
- QiitaやZennで記事を読む・書く
- YouTubeや公式ドキュメントを活用
インプットとアウトプットはバランスが大切です。適度にアウトプットすることで、知識や技術が自分のものになります。
👉 初心者は「1週間で小さなアプリを1つ作る」を目標にすると、着実に成長できます。
7. 発信スキル
テレワーク時代は「見えない努力」が多くなりがちです。
そのため、自分の活動を外に発信することで評価されやすくなります。
発信場所の例
- Twitter(学習記録を毎日投稿)
- Qiita(技術記事を公開)
- GitHub(コードをアップロード)
👉 初級者でも「今日エラーを解決した話」を書くだけで価値があります。
初心者から中級者へのステップアップの流れ
- 基礎的なプログラミングスキルを身につける
(HTML/CSS/JavaScript、PHPやPythonなど) - Gitでコードを管理する習慣をつける
- 小さなアプリを作って公開する
- タスク管理や進捗共有を学ぶ
- エージェントや案件応募に挑戦する
👉 この流れを意識すれば、テレワーク環境でも「信頼されるエンジニア」になれます。
テレワーク時代のエンジニアが避けるべきNG習慣
- 作業状況を報告しない
- チャットを無視する
- ドキュメントを書かない
- 質問を「助けてください」だけで投げる
これらはすぐに「一緒に働きにくい人」と判断されてしまいます。
まとめ
テレワーク時代に必要とされるエンジニアスキルは、単なる技術力だけではありません。
- リモート特化のコミュニケーション力
- 自己管理とタスク管理スキル
- Gitやクラウドの基礎知識
- セキュリティ意識
- 自己学習と発信力
これらを磨くことで、初心者から中級者へと着実にステップアップできます。
テレワークは「自由度が高い」働き方であると同時に「自己責任が重い」働き方でもあります。
だからこそ、自分で行動し、スキルを高め、信頼されるエンジニアを目指していきましょう。