
独学エンジニアがポートフォリオを作るときの注意点
はじめに
エンジニアを目指す人にとって、ポートフォリオは自分のスキルをアピールする最強の武器です。特に独学で学んできた人にとっては、履歴書や職務経歴書以上に「自分の実力を証明するもの」になります。
しかし、せっかく時間をかけて作ったポートフォリオも、内容や見せ方を間違えてしまうと逆効果になることもあります。採用担当者やクライアントが見るのは「何を作ったか」だけでなく「どんな工夫をしたか」「どんな成長をしているか」です。
この記事では、独学エンジニアがポートフォリオを作るときに注意すべき7つのポイントを具体例とともに解説します。初心者から中級者まで理解できるように、できるだけ分かりやすく整理しました。
注意点1. 「量より質」を意識する
独学エンジニアがやりがちなのが、「とにかく数を作ろう」という発想です。もちろん数をこなすことは練習になりますが、ポートフォリオに載せるのは本当に自信のある数作品で十分です。
- 悪い例
「ToDoアプリ」「ブログアプリ」「天気予報アプリ」など、教材をそのまま写しただけの作品を10個並べる。 - 良い例
「ユーザー認証を実装したブログアプリ」「API連携してリアルタイム情報を表示する天気予報アプリ」など、工夫や応用を加えた作品を2〜3個まとめる。
採用担当者は1つの作品を数分でチェックする程度です。数が多くても全て丁寧に見てもらえるわけではありません。むしろ「雑に作られている」と思われるリスクが高くなります。
注意点2. 教材のコピペではなく「自分の工夫」を入れる
独学エンジニアの多くはProgate、Udemy、YouTubeなどで学んだ内容をそのまま写してアプリを作ります。学習としては正しいですが、そのままポートフォリオに載せてしまうと「独自性がない」と判断されがちです。
採用側が見たいのは「あなたがどのように考え、工夫して作ったか」。
例えば:
- 教材のブログアプリに「いいね機能」や「コメント通知機能」を追加する
- Todoアプリに「タグ検索」や「カレンダー連携」をつけてみる
- デザインを整えて、見やすいUIに改善する
こうした小さな工夫でも「学んだことを応用できる人だ」と伝わります。
注意点3. コードを公開する(GitHubを活用)
ポートフォリオを作るときは、作品を見せるだけでなく コードを見せること も大切です。
- GitHubリポジトリを公開する
- READMEに「何を学ぶために作ったか」「技術スタック」「工夫点」をまとめる
- コードにコメントをつけて、読みやすさを意識する
コード公開は「自分の書いたコードに責任を持っています」という証明になります。採用担当者や現役エンジニアは、完成したアプリよりもコードの質をチェックすることが多いです。
なぜそのアプリを作ろうと思ったのか、どのようにある問題をこのアプリで解決できると思ったのかそのあたりの開発ストーリーを一緒に載せると担当者の興味をグッと掴むことができます。
注意点4. デザインやUI/UXを軽視しない
「エンジニアは機能が動けばいい」と思ってしまうのは初心者の落とし穴です。実際の開発現場では「ユーザーが使いやすいか」が非常に重視されます。
- レスポンシブデザインに対応しているか
- ボタンや入力フォームの配置は直感的か
- フォントや配色が極端に見づらくないか
最低限のUI/UXを意識するだけで「使えるアプリ」に変わります。デザインに自信がなければ、BootstrapやTailwind CSSなどのフレームワークを利用して整えるのも有効です。
注意点5. 完成度より「学びの過程」を示す
初心者の段階では、完璧なアプリを作るのは難しいです。採用担当者もそれを理解しています。大事なのは「未完成でも成長が見えること」です。
- READMEに「ここまではできた」「ここから先は課題」と正直に書く
- 改善の余地を残し、「次はこうしたい」と未来を示す
- 小さな機能追加を少しずつコミットしていく
これにより「成長意欲がある人」「課題を認識して改善できる人」と伝わります。
注意点6. 実務で使える技術を意識する
学習用の言語やフレームワークを学ぶのは良いことですが、ポートフォリオでは「現場で使われている技術」を意識するのがポイントです。
例:
- PHPなら Laravel
- Rubyなら Rails
- JavaScriptなら React / Vue / Next.js
- インフラなら Docker / AWS
実際に求人票に載っている技術を調べて、それをポートフォリオに取り入れると「即戦力になれる」と感じてもらいやすいです。
実際にサービスを作って、本番環境で動いているものを見せることができるとさらに評価を高めることができます。
最近はサーバー費用も安く抑えることができるようになっていますので、可能なら自分でサーバーを契約してサービスを公開してしまうのもひとつの方法です。
どんなサーバーを選んだらいいのか迷ったら下記の記事もご覧ください。
👉格安レンタルサーバーは大丈夫?|初心者・中級者のための安心チェックポイント
👉エックスサーバーっていいの?初心者向けに徹底解説!
👉VPSとレンタルサーバーの違いとは?初心者におすすめなのはどっち?
注意点7. 見せ方を整える(サイト・スライド・説明資料)
ポートフォリオは「作ったアプリそのもの」だけでなく「見せ方」も重要です。
- Webサイトとして公開する
→ Vercel, Netlify, GitHub Pagesなど無料で公開できるサービスを利用 - 説明資料を作る
→ スライドに「背景・目的・使用技術・工夫点」をまとめる - 簡潔に伝える
→ ポートフォリオサイトのトップページに作品を並べ、1クリックでGitHubやデモに飛べるようにする
採用担当者は多くのポートフォリオを見るので、見やすさ・分かりやすさは強力な武器になります。
よくある失敗例まとめ
- 教材をそのまま写しただけのアプリを大量に並べる
- 完成したアプリだけを見せて、コードを非公開にする
- デザインが極端に見づらい
- 説明がなく、何をアピールしたいのか分からない
- 最新技術や実務に近い内容が全く含まれていない
こうした失敗を避けるだけで、あなたのポートフォリオは一気にレベルアップします。
まとめ
独学エンジニアにとって、ポートフォリオは「自分の努力を見える形にするもの」です。履歴書や学歴に自信がなくても、ポートフォリオでスキルを示せば十分に評価されます。
今回紹介した 7つの注意点 をもう一度整理すると:
- 量より質を意識する
- 教材のコピペではなく自分の工夫を入れる
- コードを公開し、GitHubを活用する
- デザインやUI/UXを軽視しない
- 完成度より学びの過程を示す
- 実務で使える技術を意識する
- 見せ方を整える
ポートフォリオは「作って終わり」ではなく、更新して育てていくものです。改善を重ねながら、自分自身の成長とともに充実させていきましょう。
エンジニアの採用現場では「どんな環境で学んだか」より「どんなアウトプットを出せるか」が問われます。独学だからこそ、自分の強みや工夫をポートフォリオで存分にアピールしていきましょう。
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