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FirebaseとSupabaseを徹底比較|個人開発・副業にどっちが向いてる?


はじめに

「自分だけのWebサービスを作ってみたい」「副業でアプリ開発を始めてみたい」――
そんなときに必ず悩むのが、バックエンドをどう構築するか です。

サーバーを立ち上げてOSを管理し、セキュリティ対策を施し、データベースを設計してAPIを作り…とすべてを自前でやるのはとても大変です。

そこで頼りになるのが BaaS(Backend as a Service)。代表格が GoogleのFirebaseSupabase です。

どちらも「サーバーを意識せずにアプリを作れる」点で非常に便利ですが、仕組みや得意分野が大きく異なります。特に データの保存方式(NoSQLかSQLか) の違いは、後々の開発体験や運用に大きな影響を与えます。

この記事では、FirebaseとSupabaseを初心者・中級者向けにわかりやすく解説し、個人開発や副業ではどちらを選ぶべきかを徹底比較します。


Firebaseとは?

Firebase はGoogleが提供するBaaSで、モバイルアプリ開発者を中心に圧倒的な人気を誇ります。

主な特徴

  • Firestore / Realtime Database(NoSQL型)
  • Firebase Authentication(SNSログインなどを簡単に導入可能)
  • Firebase Hosting(静的サイトを即公開できる)
  • Firebase Cloud Messaging(FCM)(Push通知)
  • アナリティクスやクラッシュレポート

強み

  • Googleの巨大インフラの上で安心して使える
  • リアルタイム処理に強い(チャット・通知など)
  • 無料枠が豊富で試しやすい
  • FlutterやReact Nativeとの相性が抜群

弱み

  • NoSQL型のためJOINができない
  • 複雑な集計や正確な統計処理には不向き
  • ベンダーロックイン(Google依存)
  • 課金体系がアクセス数次第で読みにくい

Supabaseとは?

Supabase は「Firebaseのオープンソース代替」として注目されているBaaSで、データベースに PostgreSQL を採用しています。

主な特徴

  • PostgreSQL(SQL型リレーショナルDB)
  • Supabase Auth(OAuth・メール認証など)
  • ストレージ機能(画像・動画保存)
  • 自動生成API(REST / GraphQL)
  • リアルタイムリスナー

強み

  • SQLが使える(既存知識を活かせる)
  • JOINや集計が可能で、データの正確性が担保しやすい
  • オープンソースなので自前サーバーに移行可能
  • ベンダーロックインが弱く柔軟

弱み

  • まだ新しいサービスで安定性はFirebaseに一歩劣る
  • 無料枠は小さめ
  • モバイルSDKの成熟度はFirebaseほど高くない

FirebaseとSupabaseで大きく違う「データ保存の仕組み」

ここが一番大事なポイントです。

Firebase(Firestore / Realtime Database)

  • NoSQL型(コレクション → ドキュメント → サブコレクション)
  • JOINが存在しない → 複数のデータを関連付けたいときは、自分で冗長に持たせる必要がある
  • 集計はSQLのように一発でできず、アプリ側で計算するかCloud Functionsで処理する

👉 正確性の問題点

  • データを複数の場所に持たせるため、更新漏れがあると数字がズレる
  • 売上管理や会計処理のように「正確な数値」が必須なシステムには不向き

Supabase(PostgreSQL)

  • リレーショナルデータベース(SQL型)
  • JOINや集計、複雑な検索が可能
  • 正規化して設計すればデータの一貫性を保ちやすい
  • 「月ごとの売上集計」「ユーザーごとの平均利用時間」などもSQL一発で出せる

👉 正確性の強み

  • トランザクションや制約でデータを守れる
  • 金融・会計・分析など「数字に厳密さが求められる用途」に強い

FirebaseとSupabaseの比較表

項目

Firebase

Supabase

データベース

Firestore(NoSQL)

PostgreSQL(SQL)

JOIN/集計

不可(アプリ側で実装)

可能(SQLで柔軟)

リアルタイム性

強い(チャット・通知向き)

そこそこ(リスナーあり)

認証

SNSログイン豊富

OAuth対応(SNS対応は限定的)

ホスティング

静的サイトに最適

β段階

学習コスト

高め(Firestore独自仕様)

低め(SQLが使える人は即戦力)

ベンダーロックイン

Google依存

OSSで自前運用も可


個人開発に向いているのは?

Firebaseが向いているケース

  • FlutterやReact Nativeでスマホアプリを作りたい
  • チャット・通知・リアルタイム処理が必要
  • サクッと作って試したい

Supabaseが向いているケース

  • SQLを使って正確なデータを扱いたい
  • 会計・売上・分析など数値の厳格性が重要
  • OSSや自前サーバーに移行したい

副業やフリーランス案件なら?

Firebaseが有利な案件

  • スタートアップのモバイルアプリ開発
  • 短納期でPoCを作るとき
  • Push通知やGoogle連携が必要なとき

Supabaseが有利な案件

  • 管理画面や分析系Webサービス
  • 正確な数値管理(売上・会計システム)
  • SQLスキルを活かした副業案件

学習コストの違い

  • SQL経験がある人 → Supabaseの方がすぐ馴染める
  • モバイル開発経験がある人 → Firebaseの方がとっつきやすい

初心者の場合、学習教材が多いFirebaseから始めるのもおすすめです。


将来性

  • Firebase:Googleの巨大インフラで安心。長期的にサポートが期待できる
  • Supabase:OSSなので将来の自由度が高い。コミュニティ成長中

まとめ

  • Firebase → スピード重視。チャット・通知・プロトタイプ向き
  • Supabase → 正確性重視。売上管理・分析・会計システム向き

👉 スピードならFirebase、正確性ならSupabase が基本の選び方です。


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