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Webサイトって静的と動的があるって聞いたけど何が違うの?


はじめに

「Webサイトには静的と動的があるらしいけど、正直よく分からない…」
Web制作を学び始めたばかりの人や、自分でブログやサービスを立ち上げたいと思っている人が、必ず一度はぶつかる疑問です。

静的?動的?なんだか難しそうに聞こえますが、実は基本を押さえればとてもシンプルです。そして、この違いを理解することは、自分の目的に合った正しいサイトの作り方・選び方をするために欠かせません。

この記事では、初心者・中級者でも分かりやすいように、静的サイトと動的サイトの仕組み・メリットデメリット・選び方 を徹底的に解説します。さらに、最近注目されている「静的と動的のいいとこ取りをする方法」についても触れていきます。


静的サイトとは?

静的サイト(Static Website)とは、あらかじめ用意されたファイル(HTML, CSS, JavaScriptなど)をそのままブラウザに表示するサイト のことです。

たとえば、以下のようなサイトが典型です。

  • 個人のポートフォリオサイト
  • 企業の会社概要ページ(「会社情報」「アクセス」など)
  • 宣伝用のキャンペーンLP(ランディングページ)

仕組み

  1. サーバーに「index.html」や「about.html」といったファイルが置かれている
  2. ユーザーがアクセスすると、そのファイルがそのまま送られる
  3. ブラウザがHTMLとCSSを読み込んで画面に表示

処理は一切行われず、常に同じ内容を返すのが特徴です。

静的サイトのメリット

  • 表示が速い:サーバーがただファイルを返すだけなので、処理が不要で高速
  • セキュリティが高い:データベースやサーバー側のプログラムがないため、攻撃されにくい
  • コストが安い:レンタルサーバーやGitHub Pages、Netlifyなどで低コスト運用できる
  • メンテナンスが簡単:複雑な仕組みがなく、壊れる要素が少ない

静的サイトのデメリット

  • 更新に手間がかかる:記事や商品情報を頻繁に更新するには不向き
  • 機能が限られる:ログイン機能、検索機能、購入機能などは基本的に作れない
  • 大規模運用に弱い:ページ数が増えると管理が難しくなる

動的サイトとは?

動的サイト(Dynamic Website)とは、ユーザーのリクエストに応じて、サーバーがその場でページを生成して返すサイト のことです。

代表例としては以下があります。

  • WordPressで作られたブログ
  • Amazonや楽天のECサイト
  • X(旧Twitter)やFacebookといったSNS
  • 会員制サイトやWebサービス

仕組み

  1. ユーザーがページにアクセス
  2. サーバーがデータベースから情報を取得
  3. サーバーサイドのプログラム(PHP, Ruby, Node.jsなど)がHTMLを生成
  4. 出来上がったページをユーザーに返す

アクセスするたびに異なる結果が表示されるのが特徴です。

動的サイトのメリット

  • 更新が簡単:CMS(WordPressなど)を使えば、管理画面から記事を投稿するだけ
  • 機能を追加できる:ログイン、コメント、EC機能など多機能なサイトが作れる
  • 大規模サイトに対応:数千〜数百万ページ規模でもデータベースで管理可能

動的サイトのデメリット

  • 表示が遅い場合がある:サーバーが処理を行うため、アクセスが集中すると重くなる
  • セキュリティリスク:SQLインジェクションや不正ログインなど攻撃対象になりやすい
  • コストが高い:データベースやアプリケーションサーバーが必要で運用コスト増
  • メンテナンスが複雑:プラグインの更新やセキュリティ対策が必要

静的サイトと動的サイトの比較表

項目

静的サイト

動的サイト

表示速度

高速

遅くなりやすい

セキュリティ

高い

脆弱性に注意

更新作業

手動で更新が必要

CMSで簡単に更新可能

機能拡張

ほぼ不可

自由度が高い

コスト

安い

高め

規模

小〜中規模向き

大規模向き


どちらを選べばいいの?

静的サイトがおすすめな人

  • 小規模な企業サイトやポートフォリオを作りたい人
  • 表示速度やセキュリティを重視したい人
  • コストを抑えたい人

動的サイトがおすすめな人

  • ブログ記事を頻繁に更新したい人
  • ECサイトや会員制サービスを作りたい人
  • 大規模なサイト運用をしたい人

最近は「いいとこ取り」も可能に!

「静的だと更新が大変、動的だと重いしセキュリティが心配…」
そんな悩みを解決するのが 静的ジェネレーター+ヘッドレスCMS という新しいスタイルです。

例:Astro.js × microCMS

  • Astro.js … 静的サイトジェネレーター。表示が速くセキュア
  • microCMS … 管理画面から記事を更新できるヘッドレスCMS
  • 組み合わせると? … 管理は動的だけど、公開されるのは静的ファイル!

このように、最新の技術を使えば 「更新のしやすさ」+「表示の速さ」+「セキュリティ」 を両立できます。

実際に、近年のWeb制作の現場では「Jamstack」と呼ばれるこの構成が急速に普及しています。


共用サーバーでも大丈夫?

「静的ジェネレーターで作ったサイトはVPSが必要なの?」と思う人も多いですが、実はそんなことはありません。

Astro.jsなどで生成された distフォルダのファイルをそのままアップロード すれば、共用レンタルサーバーでも問題なく動きます。
WordPressのようにPHPやデータベースを必要としないため、サーバーの制約を受けにくく、軽量で快適に運用できます。


まとめ

Webサイトには 静的動的 という大きな分類があります。

  • 静的サイトは「速くて安全、でも更新に弱い」
  • 動的サイトは「更新や機能に強い、でも重くてリスクもある」

自分が作りたいのが 名刺代わりのシンプルサイト なのか、毎日更新するブログやサービス なのかによって、最適な選択は変わります。

そして今は、静的と動的のいいとこ取りをする技術 も広がっており、選択肢はどんどん増えています。

あなたの目的にあった方法を選び、理想のWebサイトを実現しましょう。


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