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SQL初心者のためのインデックス入門|データベースを速くする基本の考え方


はじめに

Webアプリや業務システムを作っていると、データベースの速度が気になる瞬間があります。
「ユーザーが増えてきたら急に遅くなった…」
「検索結果が返ってくるまで何秒もかかる…」

そんなときに役立つのが インデックス(INDEX) です。
インデックスは本の目次のように、データをすばやく探すための仕組み。

しかし、初心者にとっては「インデックスを作れば速くなるらしい」以上のことはわかりにくいもの。
この記事では、SQL初心者が理解しやすいように インデックスの仕組みと基本的な使い方 を解説します。


1. インデックスとは何か?

1-1. 本の「目次」と同じ

本で目的の章を探すとき、最初からページをめくるのは非効率です。
代わりに目次を見れば、どこにあるかすぐにわかります。

データベースでも同じ。
全件を検索するよりも、インデックスを使うと必要なデータに一気にたどり着ける のです。

1-2. 実際のイメージ

  • インデックスなし:テーブルを1行ずつチェック(フルスキャン)
  • インデックスあり:特定の列の順序付きリストを使って高速検索

2. インデックスの仕組み

2-1. B-Tree構造

多くのデータベース(MySQL、PostgreSQLなど)は B-Tree という木構造を使っています。
データをバランスよく並べ、検索・挿入・削除を高速に処理できるようにしています。

2-2. ハッシュインデックス

特定の値をピンポイントで探すときに強いのがハッシュ型。
ただし範囲検索には向きません。

2-3. インデックスの種類

  • 単一カラムインデックス:1つの列に作る
  • 複合インデックス:複数列を組み合わせる
  • ユニークインデックス:重複を許さない
  • 全文検索インデックス:テキスト検索用

3. インデックスが効果を発揮するケース

  • WHERE 句で検索する列
  • JOIN で結合するキー
  • ORDER BY で並べ替える列
  • GROUP BY で集計する列

例:

SELECT * FROM users WHERE email = '[email protected]';

email 列にインデックスがあると一瞬で探せる。


4. インデックスの注意点

4-1. 書き込みが遅くなる

データを挿入・更新・削除するとき、インデックスも更新しなければならないので、その分コストがかかります。

4-2. 無駄に作りすぎない

不要なインデックスは逆にパフォーマンスを落とします。
「よく検索に使う列」に絞るのがコツ。

4-3. 複合インデックスの順序

複合インデックスは「左から順番」にしか効きません。
例:(last_name, first_name) にインデックスを貼っても、first_name だけでは使えないケースがあります。


5. インデックスの作り方

5-1. 基本構文(MySQLの場合)

CREATE INDEX idx_email ON users(email);

5-2. 複合インデックス

CREATE INDEX idx_name ON users(last_name, first_name);

5-3. ユニークインデックス

CREATE UNIQUE INDEX idx_unique_email ON users(email);

5-4. インデックスの確認

SHOW INDEX FROM users;

6. インデックスの活用ステップ(初心者向け)

  1. 遅いクエリを見つける(例:EXPLAIN コマンドを使う)
  2. よく使う検索条件の列を確認する
  3. 必要な列にだけインデックスを追加する
  4. 実際に速度が改善するか確認する

7. 実務でのインデックス活用例

7-1. ユーザーログイン

SELECT * FROM users WHERE email = ? AND password = ?;

email にインデックスがあれば一瞬で検索可能。

7-2. ECサイトの商品検索

SELECT * FROM products WHERE category_id = 5 ORDER BY price DESC;

category_idprice にインデックスをつけると高速化。

7-3. 日付でのログ検索

SELECT * FROM logs WHERE created_at BETWEEN '2024-01-01' AND '2024-01-31';

created_at にインデックスをつけると大幅に改善。


8. 中級者への一歩:インデックスチューニング

  • カバリングインデックス:SELECTする列すべてをインデックスに含めて、テーブル参照を省略
  • 部分インデックス:条件付きで一部だけにインデックスを作成
  • インデックスヒント:クエリで使うインデックスを明示指定

まとめ

インデックスはSQLの世界で「高速化の切り札」となる存在です。

  • 本の目次のように、必要なデータに素早くアクセスできる
  • ただし作りすぎると逆効果になるので注意
  • WHEREJOINORDER BY によく使う列を優先的にインデックス化

初心者のうちは「遅いクエリを見つけて → インデックスを追加する」だけでも十分効果があります。
慣れてきたらカバリングインデックスや複合インデックスなどに挑戦してみましょう。


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