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はじめてのリモート開発|コードレビューをスムーズにするチェックリスト


はじめに

テレワークやリモート開発が当たり前になった今、エンジニアにとって欠かせない習慣のひとつが コードレビュー です。
しかし、リモート環境では「伝わりにくい」「時間がかかる」「雰囲気がギスギスしやすい」といった課題もあり、初心者や新人エンジニアは戸惑いがちです。

この記事では、そもそもコードレビューとは何か から解説し、さらに リモート環境でスムーズにレビューを進めるためのチェックリスト を紹介します。


コードレビューとは?

コードレビューとは、チームのメンバーが他の人の書いたコードを確認し、改善点や学びを共有するプロセス です。

「レビュー」と聞くと「間違い探し」と思いがちですが、本質はそうではありません。
「お互いにコードを見せ合い、もっと良いものにするための共同作業」 です。


コードレビューの目的

  1. 品質の向上
    バグやミスを早期に発見し、リリース後の不具合を減らす。
  2. 知識の共有
    実装方法やライブラリの使い方を、チーム全体で学べる。
  3. スキルアップ
    他人のコードから「書き方」や「設計の工夫」を吸収できる。
  4. 一貫性の確保
    チーム全体で統一感あるコードを書けるようになる。

コードレビューの流れ(シンプル版)

GitHub を例にすると、流れは以下のようになります。

  1. レビュイーがプルリクエストを作成
    自分の変更点をリポジトリに送る。
  2. レビュアーがコードを確認
    コメントで改善点や良い点を指摘。
  3. レビュイーが修正
    フィードバックを反映して再提出。
  4. レビュアーが承認
    問題がなければマージされ、コードが正式に取り込まれる。

レビュアーとレビュイーの役割

コードレビューは「レビューする側」と「レビューされる側」が協力しあって成立します。

レビュアー(レビューする人)

  • 他の人のコードを読む立場
  • 改善点を見つける良い部分を共有する のが役割
  • コードを書いた人を批判する場ではなく、より良くするためのガイド役

👉 注意点

  • 命令口調は避ける
  • 「ここはこうしてはどうでしょう?」と提案ベースでコメントする

レビュイー(レビューされる人)

  • 自分のコードを提出する立場
  • 意図を説明する指摘を前向きに受け止める のが役割
  • フィードバックは「自分への攻撃」ではなく「コードを良くするアドバイス」

👉 注意点

  • 防御的にならない
  • 「なるほど、そういう視点もあるんだ」と柔軟に対応すると信頼が高まる

リモート開発における課題

リモート環境でのレビューには、特有の難しさがあります。

  • 非同期でやりとりするため時間がかかる
  • テキストだけでは意図が伝わりにくい
  • レビューが滞って開発スピードが落ちる
  • 誰もレビューを見ていない状態が発生する

これらを防ぐには、チームとしてのルール作りとチェックリストの活用が重要です。


コードレビューをスムーズにするチェックリスト

1. プルリクエストを小さく保つ

  • 一度に大規模な変更を出すとレビュアーが大変。
  • 1プルリク=1つの目的 が基本。

2. 説明を丁寧に書く

  • 「何を変えたのか」「なぜその変更が必要か」を明記。
  • コードだけでは伝わらない背景を共有する。

3. 自動チェックを活用

  • Linterやテストで基本的なチェックは自動化。
  • レビューは「設計やロジック」に集中する。

4. コメントは提案ベースで

  • 命令ではなく「提案」として伝える。
  • ポジティブなフィードバックも忘れずに。

5. レビュー依頼のステータスを明確に

  • 「Draft」なのか「Ready for review」なのかを示す。

6. レビュー期限を決める

  • 「24時間以内にレビューする」などルールを決めておく。

7. 非同期と同期を使い分ける

  • テキストで伝わらなければ 5分の画面共有ミーティング で補う。

レビュアーがチェックすべきポイント

  1. 動作は要件を満たしているか
  2. バグの可能性はないか
  3. 可読性があるか(変数名・関数名がわかりやすいか)
  4. 一貫性があるか(チーム規約に沿っているか)
  5. テストは十分か(ユニット・統合テスト)

初心者がやりがちな失敗

  • 一度に大きなプルリクを出す
  • 指摘されると落ち込む
  • 誰にレビューを頼んでよいかわからない

👉 でも大丈夫。レビューは あなたを否定するものではなく、コードを育てる共同作業 です。


リモート環境でレビューを楽しむ工夫

  • 褒めるコメントを入れる:「この実装いいですね!」
  • 雑談や軽いリアクションで雰囲気を柔らかく
  • 心理的安全性を守る ことで、レビューが「負担」から「学び」へ変わる

まとめ

  • コードレビューは「バグ探し」ではなく「品質・知識・信頼を共有する仕組み」
  • レビュアーとレビュイーが協力して成り立つ
  • リモート開発ではチェックリストを活用して効率化するのがカギ

リモート環境でも、レビューを通じてチームの結束力とスキルが高まり、より良いプロダクト開発が可能になります。


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