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はじめてのリモート開発|コードレビューをスムーズにするチェックリスト
はじめに
テレワークやリモート開発が当たり前になった今、エンジニアにとって欠かせない習慣のひとつが コードレビュー です。
しかし、リモート環境では「伝わりにくい」「時間がかかる」「雰囲気がギスギスしやすい」といった課題もあり、初心者や新人エンジニアは戸惑いがちです。
この記事では、そもそもコードレビューとは何か から解説し、さらに リモート環境でスムーズにレビューを進めるためのチェックリスト を紹介します。
コードレビューとは?
コードレビューとは、チームのメンバーが他の人の書いたコードを確認し、改善点や学びを共有するプロセス です。
「レビュー」と聞くと「間違い探し」と思いがちですが、本質はそうではありません。
「お互いにコードを見せ合い、もっと良いものにするための共同作業」 です。
コードレビューの目的
- 品質の向上
バグやミスを早期に発見し、リリース後の不具合を減らす。 - 知識の共有
実装方法やライブラリの使い方を、チーム全体で学べる。 - スキルアップ
他人のコードから「書き方」や「設計の工夫」を吸収できる。 - 一貫性の確保
チーム全体で統一感あるコードを書けるようになる。
コードレビューの流れ(シンプル版)
GitHub を例にすると、流れは以下のようになります。
- レビュイーがプルリクエストを作成
自分の変更点をリポジトリに送る。 - レビュアーがコードを確認
コメントで改善点や良い点を指摘。 - レビュイーが修正
フィードバックを反映して再提出。 - レビュアーが承認
問題がなければマージされ、コードが正式に取り込まれる。
レビュアーとレビュイーの役割
コードレビューは「レビューする側」と「レビューされる側」が協力しあって成立します。
レビュアー(レビューする人)
- 他の人のコードを読む立場
- 改善点を見つける、良い部分を共有する のが役割
- コードを書いた人を批判する場ではなく、より良くするためのガイド役
👉 注意点
- 命令口調は避ける
- 「ここはこうしてはどうでしょう?」と提案ベースでコメントする
レビュイー(レビューされる人)
- 自分のコードを提出する立場
- 意図を説明する、指摘を前向きに受け止める のが役割
- フィードバックは「自分への攻撃」ではなく「コードを良くするアドバイス」
👉 注意点
- 防御的にならない
- 「なるほど、そういう視点もあるんだ」と柔軟に対応すると信頼が高まる
リモート開発における課題
リモート環境でのレビューには、特有の難しさがあります。
- 非同期でやりとりするため時間がかかる
- テキストだけでは意図が伝わりにくい
- レビューが滞って開発スピードが落ちる
- 誰もレビューを見ていない状態が発生する
これらを防ぐには、チームとしてのルール作りとチェックリストの活用が重要です。
コードレビューをスムーズにするチェックリスト
1. プルリクエストを小さく保つ
- 一度に大規模な変更を出すとレビュアーが大変。
- 1プルリク=1つの目的 が基本。
2. 説明を丁寧に書く
- 「何を変えたのか」「なぜその変更が必要か」を明記。
- コードだけでは伝わらない背景を共有する。
3. 自動チェックを活用
- Linterやテストで基本的なチェックは自動化。
- レビューは「設計やロジック」に集中する。
4. コメントは提案ベースで
- 命令ではなく「提案」として伝える。
- ポジティブなフィードバックも忘れずに。
5. レビュー依頼のステータスを明確に
- 「Draft」なのか「Ready for review」なのかを示す。
6. レビュー期限を決める
- 「24時間以内にレビューする」などルールを決めておく。
7. 非同期と同期を使い分ける
- テキストで伝わらなければ 5分の画面共有ミーティング で補う。
レビュアーがチェックすべきポイント
- 動作は要件を満たしているか
- バグの可能性はないか
- 可読性があるか(変数名・関数名がわかりやすいか)
- 一貫性があるか(チーム規約に沿っているか)
- テストは十分か(ユニット・統合テスト)
初心者がやりがちな失敗
- 一度に大きなプルリクを出す
- 指摘されると落ち込む
- 誰にレビューを頼んでよいかわからない
👉 でも大丈夫。レビューは あなたを否定するものではなく、コードを育てる共同作業 です。
リモート環境でレビューを楽しむ工夫
- 褒めるコメントを入れる:「この実装いいですね!」
- 雑談や軽いリアクションで雰囲気を柔らかく
- 心理的安全性を守る ことで、レビューが「負担」から「学び」へ変わる
まとめ
- コードレビューは「バグ探し」ではなく「品質・知識・信頼を共有する仕組み」
- レビュアーとレビュイーが協力して成り立つ
- リモート開発ではチェックリストを活用して効率化するのがカギ
リモート環境でも、レビューを通じてチームの結束力とスキルが高まり、より良いプロダクト開発が可能になります。
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