
Webエンジニアが理解しておきたいSQLの基本|データベース操作の第一歩
はじめに
Webエンジニアを目指す人にとって、SQL(Structured Query Language) の理解は必須です。
SQLは、データベースを操作するための言語であり、アプリやサービスの裏側で常に使われています。
- ユーザーの登録情報を保存する
- ログイン時にデータを照合する
- 商品リストを検索・並び替える
データベースが何かをしらないとデータベースってなに?という話になってしまうかもしれませんが、webアプリで何かの記録を残すためには、データを必ずどこかに保存しなければなりません。
そうしないと、データは保存されず、何かの変更を加えたとしても、次ページを開いた時にはリセットされてしまいます。
こうした仕組みはすべてデータベースとSQLで実現されています。
この記事では、SQLの基本を体系的に理解できるように整理 し、初心者でも実践できるステップを紹介します。
SQLとは?
SQLは データベースと会話するための言語 です。
普段私たちが触っているWebサービスは、裏で必ずデータベースとやり取りをしています。
SQLでできること
- データの追加(INSERT)
- データの検索(SELECT)
- データの更新(UPDATE)
- データの削除(DELETE)
- データベースやテーブルの作成・変更
👉 Webエンジニアが「SQLを知らない」と仕事にならないのはこのためです。
SQLの基本構文
1. データを取り出す(SELECT)
SELECT name, email FROM users;
👉 usersテーブルから「name」と「email」を取り出す。
条件を指定する場合:
SELECT * FROM users WHERE age > 20;
👉 20歳以上のユーザーをすべて取得。
2. データを追加する(INSERT)
INSERT INTO users (name, email, age)
VALUES ('Taro', '[email protected]', 25);
👉 新しいユーザーを追加。
3. データを更新する(UPDATE)
UPDATE users SET age = 26 WHERE name = 'Taro';
👉 Taroさんの年齢を26に更新。
4. データを削除する(DELETE)
DELETE FROM users WHERE age < 18;
👉 18歳未満のユーザーを削除。
5. 並び替え(ORDER BY)
SELECT * FROM users ORDER BY age DESC;
👉 年齢の高い順に並び替え。
6. 集計(COUNT, SUM, AVG)
SELECT COUNT(*) FROM users;
👉 ユーザーの総数を数える。
SELECT AVG(age) FROM users;
👉 年齢の平均を出す。
7. 複数テーブルの結合(JOIN)
SELECT users.name, orders.product_name
FROM users
JOIN orders ON users.id = orders.user_id;
👉 ユーザーと注文情報を結合して表示。
SQLを学ぶときに理解しておきたいポイント
1. テーブルとレコード
- テーブル:Excelのシートのようなもの
- レコード:1行分のデータ
- カラム:列の項目(name, emailなど)
2. 主キー(PRIMARY KEY)
- 各レコードを一意に識別するためのキー
- 例:ユーザーID
3. 外部キー(FOREIGN KEY)
- 他のテーブルを参照するキー
- 例:注文テーブルのuser_id
よくある初心者のつまずき
- DELETE文で全データ削除してしまう
DELETE FROM users;
👉 WHERE条件を忘れると全削除になるので注意!
- UPDATEで全件書き換え
UPDATE users SET age = 30;
👉 全ユーザーが30歳になってしまう。必ずWHERE条件を指定する。
- 大文字・小文字で混乱
SQLは基本的に大文字小文字を区別しないが、慣例的にキーワードは大文字で書くと読みやすい。
SQLを効率的に学ぶステップ
ステップ1:基礎を理解する
- SELECT、INSERT、UPDATE、DELETEを重点的に練習
- 小さなデータで試す
ステップ2:集計とJOINを覚える
- GROUP BYでグループ集計
- JOINで複数テーブルを扱う
ステップ3:実際のアプリで使う
- ユーザー登録機能(INSERT)
- ログイン機能(SELECT + WHERE)
- 管理画面(UPDATE/DELETE)
👉 学んだSQLを「Webアプリで動かす」と一気に理解が深まります。
SQLを学ぶおすすめ教材
- Progate「SQL学習コース」
初心者が一通り体験できる。 - ドットインストール「SQL入門」
3分動画でサクッと学べる。 - 書籍『スッキリわかるSQL入門』
日本語で丁寧に解説されていて定番。 - LeetCode / AtCoder
中級者以降は問題を解く形式で腕試し。
データベースの準備|まずは環境を整えよう
SQLを学ぶときに意外と見落とされがちなのが、「そもそもデータベースをどこに作るのか」という点です。
どれだけ文法を覚えても、データベースがなければ実行できません。
1. ローカル環境で試す(学習向け)
初心者のうちは、自分のPC上に開発用のデータベースを用意して練習するのがおすすめです。
代表的な方法は以下の2つです:
- MAMP / XAMPP を使う
→ Apache + MySQL + PHP などがまとめてセットアップされるので、クリックだけで開発環境を作れます。 - Docker を使う
→ 近年は Docker で MySQL や PostgreSQL を起動して学習する方法も人気です。環境を汚さず、すぐ消せるのがメリットです。
この段階では、簡単な「users
テーブル」を作って INSERT
や SELECT
を試すだけでも十分です。
Dockerについてはこちらで詳しく説明しています。
👉Dockerを使った開発環境構築の基本ステップ|初心者から始めるコンテナ開発入門
2. 実用的な環境で試す(本格開発・公開向け)
学習が進み、「自分のWebアプリを実際に公開してみたい」と思ったら、次のステップに進みましょう。
それが レンタルサーバー上でデータベースを構築する ことです。
- レンタルサーバーなら、MySQLやMariaDBなどのデータベースが最初から使える状態になっていることが多く、環境構築に時間をかけずに本番に近い形で練習できます。
- サーバー内のphpMyAdmin(管理画面)からGUIで操作できるため、初心者でも安心です。
- 自分で作ったWebアプリを同じサーバーにデプロイして、**「SQL → データ保存 → 画面に反映」**という一連の流れを本格的に体験できます。
詳しくは、こちらの記事でレンタルサーバーの選び方と設定方法を解説しています:
👉格安レンタルサーバーは大丈夫?|初心者・中級者のための安心チェックポイント
👉VPSとレンタルサーバーの違いとは?初心者におすすめなのはどっち?
まとめ
- SQLはデータベースを操作する言語で、Webエンジニアには必須。
- 基本は SELECT / INSERT / UPDATE / DELETE の4つ。
- 初心者がまず覚えるべきは「データの取得と条件指定」。
- 実際のWebアプリで使ってみることで理解が深まる。
👉 まずは「ユーザー登録 → 一覧表示 → 編集 → 削除」の流れをSQLで作れるようになれば十分です。