
REST APIとGraphQLの違いをわかりやすく解説|初心者が理解すべきデータ取得の仕組み
はじめに
Webアプリやスマホアプリを作るとき、必ず登場するのが API です。
APIは「アプリとデータベースやサーバーをつなぐ窓口」のような存在で、ユーザーの操作に応じてデータを取得したり更新したりします。
そのAPIの代表的な設計方式が REST と GraphQL です。
どちらも「データを取得する手段」ですが、仕組みや使い勝手に違いがあります。
この記事では、初心者でも理解できるように、REST APIとGraphQLの違い を具体例を交えながら解説します。
そもそもAPIとは?
API(Application Programming Interface)は、アプリとサービスをつなぐインターフェースです。
例:
- SNSアプリで「投稿一覧を表示」する
- ECサイトで「商品情報を取得」する
- Webアプリで「ユーザーを認証する」
👉 こうした操作はすべてAPIを通じてデータベースと通信しています。
REST APIとは?
RESTの基本
REST(Representational State Transfer)は、Webの仕組みに従ったAPI設計ルールの一つ。
- URLでリソース(データの対象)を指定
- HTTPメソッドで操作を表現
例:ユーザー情報を取得する場合
GET /users/1
👉 シンプルで理解しやすいのが特徴。
REST APIのメリット
- シンプルで学びやすい
- 広く使われており学習教材が豊富
- キャッシュや認証などの仕組みと相性が良い
REST APIのデメリット
- 過剰取得(Over-fetching)
必要以上に多くのデータを取得してしまう。 - 不足取得(Under-fetching)
欲しい情報を得るために複数回リクエストが必要になる。
GraphQLとは?
GraphQLの基本
GraphQLはFacebook(現Meta)が開発したAPIのクエリ言語。
クライアントが「必要なデータだけ」を指定して取得できます。
例:ユーザーの名前とメールだけ取得したい場合
{
user(id: 1) {
name
email
}
}
👉 必要な情報だけを効率的に取得できるのが強み。
GraphQLのメリット
- 必要なデータだけ取得できる(Over-fetching防止)
- 複数のリソースを1回のリクエストで取得可能
- APIの仕様変更に強い(フィールド追加しても既存が壊れない)
GraphQLのデメリット
- 学習コストが高い(専用のクエリ言語が必要)
- キャッシュ処理が難しい
- 小規模開発ではRESTほどのシンプルさがない
REST APIとGraphQLの違い(まとめ表)
項目 | REST API | GraphQL |
---|---|---|
データ取得方法 | URLとHTTPメソッドで指定 | クエリ言語で必要なデータを指定 |
学習コスト | 低い | やや高い |
過剰取得 | 発生しやすい | 防げる |
複数リソース取得 | 複数リクエスト必要 | 1リクエストで可能 |
キャッシュ | 簡単 | 難しい |
採用事例 | 小規模〜大規模まで幅広い | 大規模サービスやフロントエンド重視アプリ |
使い分けの基準
REST APIが向いているケース
- 小規模なアプリやシンプルな設計
- 学習・個人開発・入門用
- 既存の仕組みに乗せたい場合
GraphQLが向いているケース
- 大規模アプリ(フロントエンドとバックエンドが複雑)
- モバイルアプリ(通信回数を減らしたい)
- 複数のデータソースをまとめたい場合
実際の採用事例
- REST API:Twitter API、GitHub API(REST版)、WordPress API
- GraphQL:GitHub API(GraphQL版)、Shopify、Facebook
👉 実際には「RESTとGraphQLを併用」するケースも多いです。
学習の進め方
- まずはREST APIを理解
-GET /users
-POST /users
👉 Webの基本に沿っていて理解しやすい。 - その後にGraphQLを学ぶ
- 必要なデータだけ取得するクエリを書いてみる
- Apollo ClientやRelayなどのライブラリを利用
👉 学習順序は「REST → GraphQL」が効率的。
よくある初心者の疑問
Q1. REST APIだけ学べば十分?
👉 小規模開発や学習目的ならRESTで十分。ただし実務を見据えるならGraphQLも学ぶ価値あり。
Q2. 両方覚えるべき?
👉 はい。実務では両方が使われています。
Q3. 難しいのはどっち?
👉 RESTの方がシンプルで簡単。GraphQLは慣れるまでに少し時間がかかります。
まとめ
- REST API:シンプルで学びやすいが、過剰取得や不足取得が起きやすい
- GraphQL:効率的に必要なデータを取得できるが、学習コストが高い
- 学習順序は REST → GraphQL がベスト
👉 初心者はREST APIから始め、実務や応用でGraphQLに挑戦しましょう。