
エンジニアを目指す人がやりがちなNG習慣と正しい学び方
はじめに
エンジニアを目指して学習を始める人は年々増えています。プログラミングスクールの普及やオンライン教材の充実により、未経験からでも学習環境を整えやすくなったことが背景にあります。
しかし、せっかく意欲を持って学び始めても、途中で挫折してしまう人は少なくありません。その理由の多くは、学習方法や習慣の誤りにあります。努力しているのに結果が出ない、思うようにスキルが身につかない――それは才能の問題ではなく、「やりがちなNG習慣」にハマってしまっているからかもしれません。
本記事では、エンジニアを目指す人が陥りやすいNG習慣を整理し、それを改善するための考え方や具体的な行動を紹介します。これから学習を始める人、あるいは途中でつまずいている人にとって、大きなヒントになるでしょう。
NG習慣1:教材を次々と乗り換える「教材ジプシー」
プログラミング学習を始めると、世の中には無数の教材があることに気づきます。Udemy、Progate、YouTube、ブログ記事、書籍、スクール……。最初はやる気に満ちて手を付けるのですが、
- 「こっちの教材の方が簡単そう」
- 「この人の解説の方がわかりやすいかも」
- 「結局どれが正解なんだろう?」
と次々に教材を渡り歩いてしまい、結局どれも中途半端に終わることがよくあります。
なぜNGか?
プログラミングは「知識」よりも「手を動かした経験」が重要です。教材を変えても「コードを書く量」が増えなければ成長はしません。教材を乗り換えるほど「理解した気分」にはなれますが、身についているわけではないのです。
改善のポイント
- 教材は最初に1〜2つ選んだら最後までやり切る
- 理解できなくても写経・模写しながら手を動かす
- 「完璧に理解する」より「まずは動かす」ことを優先する
NG習慣2:環境構築で挫折する
学習を始めると、最初に立ちはだかるのが「環境構築」です。Pythonならインストール、JavaScriptならNode.js、PHPならXAMPPやDockerなど。未経験者にとっては専門用語の嵐で、ここでつまずく人が非常に多いです。
なぜNGか?
環境構築は確かに重要ですが、「最初から完璧に整える必要はない」のです。多くの人が「エラーで動かない」「ネットの記事通りにやったのに違う」と悩み、そこで時間とモチベーションを失ってしまいます。
改善のポイント
- 最初はブラウザで動かせるサービス(Paiza.IO、CodeSandboxなど)を使う
- スクールや公式ドキュメントが推奨する「最小限の環境」を真似する
- 環境構築にこだわるのは基礎ができてからで十分
NG習慣3:基礎を飛ばしてフレームワークに走る
Webエンジニアを目指す人によくあるのが、「Railsをやりたい!」「Reactをやりたい!」と、いきなりフレームワークから始めてしまうことです。
なぜNGか?
フレームワークは便利ですが、その裏には「基礎的なプログラミング言語の知識」があります。基礎を知らずにフレームワークを触ると、
- エラーが出ても何が原因かわからない
- 黒魔術的に動かすことしかできない
- 応用が効かない
といった状態に陥ります。
改善のポイント
- まずは言語そのものの文法や基本構文を学ぶ(条件分岐、ループ、関数、オブジェクトなど)
- 小さなプログラムを自分で作る(簡易電卓、TODOリストなど)
- フレームワークに入るのは「基礎でコードを書ける」ようになってから
NG習慣4:アウトプットをしない
学んだことを「見て終わり」「写経して終わり」にしてしまう人は多いです。しかし、人は「インプット」だけでは成長しません。
なぜNGか?
学んだ内容はすぐに忘れます。記憶を定着させるには「アウトプット=自分の手で形にすること」が必要です。
改善のポイント
- QiitaやZennに記事を書いてみる
- 学んだコードをGitHubに公開する
- Twitter(X)で「今日学んだこと」を発信する
「人に説明する」こと自体が最強の学習法です。アウトプットは恥ずかしいと思うかもしれませんが、未経験者の悩みやつまずきは多くの人に役立ちます。
NG習慣5:資格取得や理論にこだわりすぎる
「資格を取れば就職できるはず」「アルゴリズムを全部理解しないといけない」と考える人もいます。しかし、現場で最も求められるのは「実際に動くものを作れる力」です。
なぜNGか?
資格はあくまで補助的なものです。資格があっても実際に手を動かせなければ評価されません。逆に、資格がなくてもポートフォリオでアピールできれば採用につながることは多いです。
改善のポイント
- 資格学習は「並行して」進める程度にする
- 理論よりもまずは「動くものを作る」ことを優先
- ポートフォリオを「就職に使える成果物」として意識する
NG習慣6:独学を孤独に続ける
独学は自由ですが、孤独でもあります。誰にも相談できずに一人で悩み続けると、モチベーションが下がり、挫折につながります。
改善のポイント
- TwitterやDiscordで学習仲間を見つける
- オンラインコミュニティや勉強会に参加する
- メンターやスクールを利用して壁を越える
学習は「一人の戦い」にしない方が、長続きします。
NG習慣7:短期間で結果を求めすぎる
「3ヶ月でエンジニアになれる」といった宣伝に影響され、短期間で大きな成果を求めてしまう人も多いです。
なぜNGか?
エンジニアは「一生学び続ける職業」です。3ヶ月で基礎は身につけられますが、即戦力になるわけではありません。短期的な結果を追うと、期待と現実のギャップで挫折しやすくなります。
改善のポイント
- 「1年かけて基礎を固める」くらいの長期戦で考える
- 毎日の小さな進歩を積み重ねる
- 成果よりも「継続して学べていること」を評価する
NG習慣8:実務に近い経験を積まない
基礎学習だけで満足し、実際にサービスを作る経験を積まない人も多いです。
改善のポイント
- 自分のポートフォリオサイトを作ってみる
- クローンアプリ(Twitter風、ToDoアプリなど)を作る
- 小さくても「誰かに使ってもらえるもの」を作る
学んだことを「作品」に落とし込むことで、実務につながるスキルが身につきます。
まとめ
エンジニアを目指す人がやりがちなNG習慣を整理すると以下の通りです。
- 教材を次々と乗り換える
- 環境構築で挫折する
- 基礎を飛ばしてフレームワークに走る
- アウトプットをしない
- 資格や理論にこだわりすぎる
- 独学を孤独に続ける
- 短期間で結果を求めすぎる
- 実務に近い経験を積まない
これらを避け、基礎をしっかり学び、アウトプットし、仲間と一緒に継続することが成功の近道です。
「正しい習慣」を意識して学習を進めれば、エンジニアへの道は必ず開けます。